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BoAさんが罹患した膝骨壊死について

医療

こんにちは!西尾市一色町の整形外科クリニック うえだ整形外科クリニック 院長 上田英範です。

歌手のBoAさんが「膝骨壊死」と診断されたというニュースが入ってきました。
BoA 9月からのツアー中止を発表「骨壊死」と診断 膝の痛み悪化「早急に」手術へ「健康を最優先」

膝骨壊死とはどのような病気なのか整形外科専門医が解説していきたいと思います。

骨壊死とは

「骨壊死」という病名、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
骨壊死とは、血流の悪化などが原因で骨に十分な栄養が届かず、骨の一部が壊れてしまう状態をいいます。
BoAさんはお若いですが、本来は60歳以上の比較的高齢の女性に発症することが多い病気です。
今回のニュースでは、骨壊死が起こった骨の名前までは記載させれおりませんが、膝の場合は大腿骨という太ももの骨の内側(大腿骨内顆)に起こることが多いです。

骨壊死の症状

骨壊死は初期には自覚症状がないことも多く、痛みが出た頃にはある程度進行しているケースが少なくありません。
膝で起こる場合は、膝の内側に痛みが出やすく、特に歩いたり階段を昇り降りするときに痛むことがあります。
症状が進むと、安静時にもズキズキと痛んだり、膝の動きが悪くなったりします。
膝に水がたまる、腫れるといった症状が出ることもあり、夜間に痛むのも特徴です。

骨壊死の原因

骨壊死の原因は、現代医学でもはっきりとわかっておりません。
BoAさんの場合、長年の激しいダンスが関与している可能性は否定できませんが、やはり原因を確定することは難しいであろうと思われます。

骨壊死の診断

骨壊死は病状が進んでくればレントゲン検査でもある程度わかりますが、初期の段階では異常が映らないこともあります。
そのためMRI検査が非常に有効です。
MRIでは骨の内部の変化まで詳しく確認でき、早期発見が可能になります。

骨壊死の治療

治療は、病期や症状の程度によって異なります。
初期であれば、鎮痛薬やリハビリ、壊死した部分への負担を減らすために足底板というインソールを使って経過をみる保存療法が中心になります。
痛みが強い、骨の崩れが大きい場合には、手術を検討することもあります。
手術には人工関節に置き換える方法(人工膝関節置換術)や壊死した部分に負荷が加わらないように骨を切ってつなぎ直す手術(高位脛骨骨切り術)など、患者さんに合わせた治療を選択していきます。

BoAさんが膝骨壊死となったのは、先述の通り好発年齢から外れるため少し意外ではありますが、1日も早く回復されステージに復帰できることを心からお祈りいたします。

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ではまた!

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執筆者

上田 英範

うえだ整形外科クリニック 院長

2021年、愛知県西尾市にうえだ整形外科クリニックを開院しました。
地域社会に貢献するため、医師として患者さんに信頼していただける医療を心がけております。

経歴
金沢医科大学卒/名古屋医療センター研修医/聖霊病院整形外科勤務/なかざわ記念クリニック整形外科勤務
保有資格
日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会リウマチ医/日本整形外科学会スポーツ医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
所属学会
日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本骨粗鬆症学会/日本整形外科超音波学会/日本リハビリテーション医学会/日本整形内科学研究会