様子見(経過観察)の重要性について
こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック 院長 上田英範です。
久しぶりのブログ更新になってしまいました。
今日は整形外科でよく聞くであろう、様子を見ましょう(経過観察)の大切さについて書きたいと思います。
皆さま医師から「様子を見ましょう」と言われたらどう思いますか?
「せっかく来たのに、原因わからないのかよ!?」、「何も治療してもらえなかった」と思われますでしょうか。
確かに、私も整形外科医でなければ、そう思ってしまうかもしれません。
整形外科に限らず医師が様子を見ましょうという場合、「放置」ではなく別の意味があります。
ここからはその理由について述べていきます。
1. 病気の自然治癒力を待つ
多くの病気は、自然治癒力によって治癒します。
例えば、軽い打撲であれば、1週間〜2週間で痛みや腫れが自然に治まります。
このような場合、無理に治療を施すよりも、経過観察を行い、自然治癒力を待つことが大切です。
2. 不要な検査や治療を避ける
医療には、検査や治療に伴うリスクが必ず伴います。
例えば、レントゲン検査やCTでは被曝のリスク、薬には副作用があります。
経過観察を行うことで、本当に必要な検査や治療に絞り、リスクを最小限に抑えることができます。
3. 病状の変化を見逃さない
経過観察を行うことで、病状の変化を早期に発見することができます。
例えば、整形外科領域では、肩の痛みで受診された場合に、その痛みの原因が肩にある場合や首にある場合があります。
しかし、実際に診察してみると、肩が悪いのか首が悪いのかわからない場合があるのです。
経過観察をすることで、どちらが悪いのかわかってくることがあり、早期に対処することができます。
4. 患者さんの負担を軽減する
検査や治療には、時間や費用がかかります。
経過観察を行うことで、患者さんの時間的・経済的な負担を軽減することができます。
5. 医師と患者さんの信頼関係を築く
経過観察は、医師と患者さんがコミュニケーションを密に取ることで成り立ちます。
医師は患者さんに病状や経過観察の目的を丁寧に説明し、患者さんは不安や疑問があれば遠慮なく質問する。
こうしたコミュニケーションを通して、医師と患者さんの信頼関係が築かれます。
「様子を見ましょう」は「放置」ではない
「様子を見ましょう」は決して「放置」ではありません。
医師は患者さんの状態を定期的に診察し、必要に応じて検査や治療を行います。
患者さん自身も、体調の変化に注意し、何かあれば医師に相談していただければと思います。
では、また!
西尾市一色町の整形外科クリニック
うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範
執筆者
執筆者
うえだ整形外科クリニック 院長
2021年、愛知県西尾市にうえだ整形外科クリニックを開院しました。
地域社会に貢献するため、医師として患者さんに信頼していただける医療を心がけております。
- 経歴
- 金沢医科大学卒/名古屋医療センター研修医/聖霊病院整形外科勤務/なかざわ記念クリニック整形外科勤務
- 保有資格
- 日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会リウマチ医/日本整形外科学会スポーツ医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
- 所属学会
- 日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本骨粗鬆症学会/日本整形外科超音波学会/日本リハビリテーション医学会/日本整形内科学研究会