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鳥山明先生追悼:整形外科医が語る急性硬膜下血腫

医療

漫画界の巨匠、鳥山明先生のご逝去に、心より哀悼の意を表します。

こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック うえだ整形外科クリニック 院長 上田英範です。

令和6年3月1日、「DRAGON BALL」などの作者で有名な鳥山明先生が亡くなられました。

【追悼の声】漫画家 鳥山明さん死去 68歳 「DRAGON BALL」など

鳥山先生の作品は、私も幼少期から親しみ、特にドラゴンボールは私の人生に大きな影響を与えてきました。
中でも、誇り高きサイヤ人、ベジータは、私の最も好きなキャラクターです。

ベジータの強さ、冷酷さ、そして家族への愛情は、多くのファンを魅了してきました。

ナメック星でのフリーザとの戦いで、ベジータは致命傷を負い、悟空に後を託して命を落とします。
そのシーンは、多くのファンにとって涙なくしては見られない名シーンです。

ベジータの死は、悟空に新たな力を与え、物語を大きく動かしました。

今回のブログでは、門外漢ではありますが整形外科医の立場から、鳥山先生が亡くなられた原因となった「急性硬膜下血腫」について解説させていただきます。

1. 急性硬膜下血腫とは

急性硬膜下血腫は、脳の表面にある硬膜と脳の間の空間に、急激に出血が起こる病気です。
頭を強く打った後などの頭部外傷によって発症することが多いです。

2. 症状

主な症状は、頭痛、嘔吐、意識がない(意識障害)です。
場合によっては、けいれんや体の半分が動かない(片麻痺)などの症状が現れることもあります。

3. 原因

先述の通り、頭部外傷が主な原因です。
脳の表面が傷つくことにより、その部分から生じた出血がたまることにより生じます。

4. 診断

頭部CTにて診断可能です。
三日月状の白い血の塊(血腫)が確認できます。

5. 治療

手術で血腫を取り除きます。
脳が腫れるため、頭蓋骨を一部取り除き、そのまま戻さない処置をする(外減圧術)こともあります。

6. まとめ

急性硬膜下血腫は、命に関わることもある病気です。
頭へ強い衝撃を受けたあとに、意識がない、強い頭痛、嘔吐、体の半分が動かないなどの症状があった場合は、大きな病院の脳神経外科を受診してください。
(※整形外科では対応できません。申し訳ありません。)

鳥山先生のご逝去は、漫画界にとって大きな損失です。
先生の作品は、これからも世界中の人々に愛され続けるでしょう。

そして、ベジータは私にとって永遠のヒーローです。

では、また!

うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範

執筆者

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執筆者

上田 英範

うえだ整形外科クリニック 院長

2021年、愛知県西尾市にうえだ整形外科クリニックを開院しました。地域医療に貢献するため、医師として患者さんに寄り添った治療を心がけております。

経歴
金沢医科大学卒/名古屋医療センター研修医/聖霊病院整形外科勤務/なかざわ記念クリニック整形外科勤務
保有資格
日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会リウマチ医/日本整形外科学会スポーツ医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
所属学会
日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本骨粗鬆症学会/日本整形外科超音波学会/日本リハビリテーション医学会/日本整形内科学研究会