骨折した後の大事なポイント

こんにちは。
レントゲンからのブログです。
私たちレントゲン技師は患者さんの骨折ケースを数多く撮影し、治療経過を間近で見てきた経験がありますので、今回は骨折の治療期間、注意点、治癒を早めるコツについてまとめてみました。
ご自身やご家族の骨折時に、ぜひご参考ください。
1. 骨折したときの治療期間について
骨折の治療期間は「部位」「折れ方」「年齢」「健康状態」に左右されますが、一般的な目安は以下の通りです。(特に年齢で大きな差があります)
手首(橈骨遠位端):約6~12週間
前腕(橈骨・尺骨):約6~12週間
肋骨:約8~12週間(固定困難なため痛みはやや長引くことも)
大腿骨頸部(股関節付近):約12~24週間以上
脛骨・腓骨(すね):約8~16週間
※固定具(ギプスや装具)を装着する期間やリハビリについては医師の指示に従い、必ず通院を継続してください。どんな小さな骨折であっても自己判断で治そうとすることは絶対に避けましょう。
2. 骨折した後の注意事項
無理な運動・負荷は禁物!!
骨癒合途中での過度な運動は、骨のずれや変形を招きます。
定期的なレントゲン検査で骨のつき具合や転位の有無を確認します。通院を怠らず、予定された検査日は必ず受けましょう。
痛み・しびれの変化に注意!
ギプス内でのむくみや神経圧迫は、まれに指先の痛み、しびれ・冷感を伴います。
圧迫による痛みやしびれはかなり強く出ますので、はっきり感じたらすぐに病院へ行きましょう。(なんとなく感じるくらいなら次回受診時に相談でも大丈夫かと思われます)
3. 骨折を直すためにした方がいいこと
栄養バランスの良い食事たんぱく質・カルシウム・ビタミンDを中心に、積極的に摂取しましょう。栄養をたくさん摂ったからと言って目に見えて早く治るわけではないですが不足した場合治癒の妨げになる可能性があるので気をつけましょう。
また、喫煙や過度な飲酒はやめましょう。骨血流を阻害し、治癒を遅らせる可能性があります。
骨のくっつきが進んできたら、医師やリハビリスタッフの指示に従ってリハビリをしましょう、骨への刺激が治癒を促します。
超音波骨折治療器(当院にもある骨折の治癒を促進させる機器)を使用して早期回復を狙う場合は医師と相談の上で検討してください。
なお超音波骨折治療器はほぼ毎日実施する必要があり、実施にはお時間を作る必要がありますが効果は期待できます。
4. まとめ
骨折の治療は長期戦ですが、適切な固定、栄養管理、リハビリの遵守が回復への近道です。また、骨折の種類によっては、動かしてはいけない期間やリハビリ開始のタイミングがシビアに決まっています。何より医師の指示に従うのが一番大事です。
気になることがあれば医師でもスタッフでも良いのでいつでもご相談ください。
以上、レントゲンがお届けしました。少しでも皆さんの骨折治療の参考になれば幸いです。今後とも当クリニックをよろしくお願いいたします。
執筆者
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こんにちは。うえだ整形外科クリニックで働いている放射線技師一同です。
主にX線撮影や骨密度検査をしており、正確で迅速な診断をサポートすることを心掛けています。患者様がリラックスして検査を受けられるように努めています。どうぞよろしくお願いいたします。