足首をひねった
足首の捻挫とは
「走っていて足をひねった」、「ジャンプして着地するときに他の人の足を踏んでしまって足首をひねった」
スポーツの現場ではよくある訴えです。
少し湿布して様子見ようということもよく聞きますが、単なる捻挫と軽視してはいけません。
捻挫の正体は靱帯損傷や剥離骨折であることもあり、きちんと治療しなければスポーツをする上で大きな障害を残すことがあります。
足首をひねったときの症状
足首の強い腫れと痛みが出て、程度によっては歩行困難になる場合もあります。
足首をひねったときに症状が強く出る原因
足首をひねったときに最も傷つくことが多い靱帯は、外くるぶしのやや下方かつ前方にある「前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)」という靱帯です。
その靱帯の損傷の程度により症状が変わってきます。
また、靱帯に引っ張られて小さな骨が剥がれるように骨折(剥離骨折)することがあります。
この場合も腫れや痛みが強く出ます。
足首をひねったときの診断
まずはレントゲンで大きな骨折がないかを評価します。
しかし、多くの場合はレントゲンでは異常は認めません。
超音波(エコー)検査を行い、靱帯や剥離骨折がないかを確認します。
また、エコーでは関節のぐらつきの評価もできるため非常に有用です。
足首をひねった時の応急処置
受傷直後や病院に来ることができないときは応急処置を!
足をひねった時の応急処置はRICE療法を行います。
①Rest(安静)
運動を中止し、まずは患部を安静にしましょう。
②Icing(冷却)
氷水で患部を冷やしたり、スポーツ現場ではコールドスプレーなどを使用します。
③Compression(圧迫)
包帯などで患部を圧迫します。
④Elevation(挙上)
患部を心臓よりも高くあげます。
これらの処置を行うことで、患部の腫れを防止します。
足首をひねった時の治療
エコーにて靱帯の状態と剥離骨折がないかを確認します。
①靱帯損傷があり、かつ関節のぐらつき感が強いとき、②剥離骨折を認める場合は、
ギプス固定を約4週間行います。
その後、運動復帰のためのリハビリを行います。
靱帯損傷はあるが、関節のぐらつき感はない場合は、
サポーターと運動中止を2~4週間行います。
最後に一言
単なる捻挫とあなどらないでください!
スポーツ復帰が難しくなるだけでなく、場合によっては日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
捻挫は初期治療が命です!
後からなんとかしてくださいは非常に難しいです。
痛みが強い場合は、必ず受診をお願いいたします。
文責 上田 英範
(日本整形外科学会整形外科専門医)