膝の水を抜くとクセになる!?
こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック うえだ整形外科クリニック 院長 上田英範です。
今日は膝の水を抜くとクセになる!?についてです。
診療していると患者さんから「膝の水を抜くとクセになるというけど?」と聞かれることがよくあります。
それについて解説していきたいと思います。
膝の水の正体
膝にたまる水は、炎症によって産生された関節液です。
膝に水がたまる原因
膝の関節内には、滑らかな動きを助ける関節液が少量存在します。
しかし、関節に炎症が起こると、この関節液が過剰に産生され、膝に水がたまった状態になります。
膝に水がたまりやすい疾患
以下のような疾患では膝に水がたまることがよくあります。
変形性膝関節症: 軟骨がすり減り、関節が炎症を起こす病気です。
関節リウマチ: 免疫系の異常により関節が慢性的に炎症を起こす病気です。
半月板損傷: 膝のクッションの役割をする半月板が損傷し、炎症を引き起こす場合があります。
痛風: 血中の尿酸値が上昇し、関節に尿酸の結晶が沈着することで炎症が起こります。
「水を抜くとクセになる」は本当?
「水を抜くとクセになる」という俗説は、一度水を抜いても、原因となる炎症が治っていなければまた水がたまることから生まれた誤解です。
膝の水を放置することの危険性
水を放置すると、関節内の圧力が高まり、痛みが悪化することがあります。
また、水の中には炎症を誘発する物質が含まれています。
水がたまる→炎症を誘発する物質がたまる→炎症が起こる→水がたまる、という悪循環に陥る可能性があります。
水を抜くことは必要?
膝に水がたまった場合、必ずしも水を抜く必要があるわけではありません。
しかし、大量に水がたまっている場合は、抜く処置をすることが多いです。
水がたまらないようにするには?
原因となる病気の治療: 例えば、変形性膝関節症であれば、薬物療法、物理療法、関節内注射などを行います。
生活習慣の改善: 体重管理、適度な運動、バランスの取れた食事などの指導を行います。
まとめ
膝に水がたまる原因は、関節の炎症がほとんどです。
「水を抜くとクセになる」という俗説は誤りであり、放置すると症状が悪化する可能性があります。
重要なのは、原因となる病気の治療を行い、生活習慣を改善することです。
最後に
膝に水がたまってお悩みの方は、整形外科を受診することをおすすめします。
我々整形外科医は、患者さんの症状に合わせて適切な治療法をご提案させていただきます。
いかがでしたでしょうか。
では、また!
執筆者
執筆者
うえだ整形外科クリニック 院長
2021年、愛知県西尾市にうえだ整形外科クリニックを開院しました。
地域社会に貢献するため、医師として患者さんに信頼していただける医療を心がけております。
- 経歴
- 金沢医科大学卒/名古屋医療センター研修医/聖霊病院整形外科勤務/なかざわ記念クリニック整形外科勤務
- 保有資格
- 日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会リウマチ医/日本整形外科学会スポーツ医/日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
- 所属学会
- 日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本骨粗鬆症学会/日本整形外科超音波学会/日本リハビリテーション医学会/日本整形内科学研究会