よく聞くけど骨密度って何?

こんにちは。
今回はレントゲンから「骨密度」についてまとめてみました。
テレビCMやニュース、新聞、インターネットで度々目にする骨密度ですがそれが一体どういうものなのか少しでもお伝えできればと思います。
【そもそも骨密度って何?なぜ大事なの?】
・まず骨の丈夫さは「骨質(こつしつ)」と「骨量(こつりょう)」で強さが決まります。
骨質は骨の微細構造や材料強度を指し、骨量はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどれだけ詰まっているかを示します。
この骨量に詰まっているミネラルの度量を骨密度といいます。(骨密度が高いということはミネラルが豊富に詰まっていて骨が丈夫であるということ)
骨密度は主に加齢・ホルモン低下(特に閉経後の女性)・生活習慣・特定薬剤(例:長期ステロイド)などで減少し、骨折リスクが高くなります。
そして骨密度検査は「骨がどれくらい脆くなっているか」を推定する重要な手段です。
骨の“脆さ(骨折しやすさ)”を知ることは骨粗しょう症の早期発見につながり、将来的な骨折のリスクを早めに下げることにつながります。
【どうなったら骨粗鬆症なの?】
基本的に医師の診断により骨粗鬆症かどうか判断されますが、一つの指標として骨密度測定結果の「若年成人比較YAM(若い人と比較した時の骨密度)」を見て判断されることが多いです。
この値が80%以上であれば正常、70%以上80%未満であれば骨量減少、70%未満であれば骨粗鬆症となります。
同年代での比較項目もありますが、こちらはあまり意味をなさないので参考程度です。
もし骨粗鬆症と診断された場合は治療することを強くお勧めします。
自覚症状がないため治療の必要性を感じにくいですが、転倒して骨折し寝たきりになる場合は少なくありませんので是非治療をしていきましょう。
【どんな検査をするの?(当院の場合)】
当院では一般的に「DXA(デキサ/二重エネルギーX線吸収法)」という方法で、主に腰椎と大腿骨(太ももの付け根)を測定します。
検査は痛みもなく短時間(5分〜10分程度)で終了します。
服の上から測れる場合も多いですが、金属(ベルトやアクセサリー)があると影響するため外していただく場合もあります。
検査中は横になっているだけでリラックスして受けられます。
ちなみに料金は3割負担で1350円ほどです。(2025/8/20現在)
※ごくごく少量ですが被ばくを伴うため妊娠している場合は医師またはレントゲン技師にお伝えください。
【子どもや若い人でも測れる?】
必要に応じて行うことはありますが、基本的に若い方に実施することは稀です。
理由としては単純に骨密度の減少自体が考えにくく、ごく少量とはいえ被ばくもあるため実施の正当性がないと判断されるためです。
骨密度の減少は男性でいえば60歳ごろから、女性でいえば閉経後から起こってきますので、それを目安に測定することをお勧めします。
【最後に】
骨密度の検査は短時間で受けられ、将来の骨折リスクを下げるための大切な手がかりになります。気になる方は問診時または診察時に「骨密度検査をお願いしたい」とお伝えください。測定と結果の説明はレントゲンと医師が連携して丁寧に行います。
ご不明な点があればお気軽にスタッフにお声がけください。あなたの「歩ける未来」を一緒に守っていきましょう。
執筆者
執筆者
こんにちは。うえだ整形外科クリニックで働いている放射線技師一同です。
主にX線撮影や骨密度検査をしており、正確で迅速な診断をサポートすることを心掛けています。患者様がリラックスして検査を受けられるように努めています。どうぞよろしくお願いいたします。