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痛風(高尿酸血症)について

医療

こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック 院長 上田英範です。

6月になり、少しずつ暑い日も増えてきて、帰宅後の一杯を楽しみにされている方もいるのではないでしょうか。
そんな方には耳の痛い話ですが、本日の話題は痛風(高尿酸血症)についてです。

痛風は、尿酸の結晶が沈着して起こる疾患です。
血液の中の尿酸が多いと尿酸の結晶が沈着して、症状が出現します。

症状としては、急激に発症する足の親指の付け根の腫れと激痛が典型的ですが、その他にも足の甲、足首、アキレス腱、膝などにも起こる可能性があります。
個人的な経験では、あまりにも尿酸の値が高すぎる人で指の関節にも症状が出た方を診たことがあります。
痛風を経験したことがある方にしかわからない、足がムズムズするような前兆があるとも言われております。

原因としては、前述の通り血液中の尿酸が多いことによります。
さらに分けると、尿酸の酸性が過剰な場合や尿からの尿酸の排泄が少ない場合があります。

治療としては、痛風発作といって痛みと腫れが酷いときは、痛み止めなどの消炎鎮痛薬を処方します。
これだけで1~2週間で痛みは改善します。
その後は、尿酸を下げる薬を内服していただき、適正な範囲の尿酸値を維持します。

なぜなのかはわかりませんが、最近健康診断などで、尿酸値の正常範囲の上限が「7.5」くらいのものをよく見かけます。
7台だったけど、正常範囲内だったから大丈夫と言われる方もいらっしゃいますが、この基準値はかなり甘いです。
痛風を起こしたことがある方は、尿酸の値は5台くらいが良いと言われており、少なくとも6台くらいにを目標にコントロールする必要があります。

その他、生活習慣の改善も必要です。
プリン体が代謝されると尿酸になるため、プリン体の多く含まれる食事を控えて頂く必要があります。
プリン体の多く含まれる食事は、ビールや甲殻類、レバーなどです。

体が脱水傾向になると、血液が濃縮されて、尿酸の濃度が上がるため、水分補給をしっかりすることも大切です。

痛風になると、仕事や日常生活が制限されて、非常に不便な状態になります。
最近は、尿酸の下がりが良い薬も登場してきておりますので、健康診断で尿酸が引っかかったという方は整形外科を受診してみてください。

では、また!

うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範