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新型コロナウイルスワクチンを接種してよいか?という問いについて

医療

こんにちは!
令和3年8月に西尾市一色町に開院予定のうえだ整形外科クリニック 院長 上田英範(ひでのり)です。

本日は最近増えつつある「新型コロナウウイルスワクチンを接種しても良いかどうか」という問いにお答えしたいと思います。

まず、「高齢なので大丈夫か?」という問いに関しては、年齢に関係なく接種をおすすめするという返事になります。

問題は、「関節リウマチで免疫抑制薬や生物学的製剤やステロイドを使用している場合はどうすればよいか?」ということですが、
日本リウマチ学会のホームページによると、「現時点でステロイドや免疫抑制剤がこのワクチンにあたえる影響はわかっていません。通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドを中止・減量することはありません。よって基本的には接種前後で免疫抑制剤やステロイドは変更せず継続すべきと考えます。」(抜粋)とあります。
新しいワクチンなので、どのような副反応が起こるかはわからないのですが、個人的には薬剤を継続したまま接種をおすすめするということになります。

では、新型コロナウイルスワクチンを接種してはいけないのはどんな人かとかというと、厚生労働省 ファイザー社新型コロナワクチンについてより抜粋すると、
受けることができない人
・明らかに発熱している人(※1)
・重い急性疾患にかかっている人
・本ワクチンの成分に対し重度の過敏症(※2)の既往歴のある人
・上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人
(※1)明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。
(※2)アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。

また、注意が必要な人
・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
・過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
・過去にけいれんを起こしたことがある人
・本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人
とあります。

個人的には、当日の発熱、重篤な疾患で治療中の方、1回目のワクチン接種でアナフィラキシーショックを起こした方は接種をしないことをすすめることになります。
また、抗凝固療法を受けている人、心疾患・腎疾患・肝疾患のある人、過去の予防接種でアレルギーを起こした人等は要相談となります。

最近のテレビのニュースのトピックスでは、全国の3459万人の高齢者に7月までに接種を完了するには、どれだけの医療従事者が必要なのかということでした。
そのニュースで言っていたのは、もし全国の開業医約10万件がフルで稼働すると、高齢者約3500万人×2回=7000万回分の注射で、10万件の開業医が1日10件注射すると100万回分、7000万回÷100万回=70日で終わるという計算でした。

NHK 高齢者のワクチン接種“7月末までに” 自治体に通知へ 厚労省
厚生労働省 医療施設動態調査

実は私の考えでは、新規開院するうえだ整形外科クリニックで高齢者の方や一般の方に対して新型コロナウイルスワクチンを接種することは考えていませんでした。
なぜなら、未知のワクチンで副作用の予測が難しいであろうこと、アナフィラキシーショック等即時的な副作用を起こしたときに対応できる設備が不十分であるためです。
しかし、本日のニュースを見ていて少し考えが変わりました。
当院は開業は8月なので、高齢者の優先接種にはあまり関与しないかもしれませんが、一般の方の接種となったときには協力しなければならないかもしれません。
私一人の判断で動くことはできませんので、当院に勤務することになる職員の意見も聞いて判断することになろうかと思います。

では、また!

うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範