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千鳥ノブさんが罹患した椎骨動脈解離について

医療

こんにちは!
西尾市一色町の整形外科クリニック 院長 上田英範です。

本日は「椎骨動脈解離」という病気に関してです。
たまたまインターネットのニュースを見ていたところ、以下のようなニュースを目にしました。
千鳥ノブが右椎骨動脈解離のため入院「1カ月程度の安静が必要」 2013年には左椎骨動脈にも異常判明
椎骨動脈解離という病気は、専門としては脳神経外科の領域になるのですが、整形外科に受診される可能性もあるため、門外漢ではありますが今回少し解説したいと思います。

椎骨動脈解離とは
まず、椎骨動脈は首付近に左右1本ずつある動脈です。
心臓から脳に血液を運ぶ途中の血管です。
これが何らかの原因で裂けてしまう病気のことをいいます。

椎骨動脈解離の症状
血管が内側に裂ければ脳梗塞、血管が外側に裂ければクモ膜下出血を起こします。
血管が裂けたときの症状で、首の痛み頭痛を起こすことがあります。
このときの首の痛みで整形外科を受診される可能性があります。

椎骨動脈解離の原因
原因はよくわかっておりませんが、ときに首への外傷やマッサージなどで無理な施術が行われたということが原因となる可能性があると言われております。

椎骨動脈解離の診断
診断は、MRI(MRA)造影CTで行います。
「疑ったら精査」ですが、これが一般の診療所では非常に困難である(MRIやCTがない)ため、診断がつかない場合も多々あります。

椎骨動脈解離の治療
入院の上、安静と血圧管理を行い、血管がそれ以上裂けないようにする必要があります。

今回ノブさんは、脳梗塞やクモ膜下出血を起こす前に発見できたようで、本当に良かったです。

このように椎骨動脈解離は、一般診療所では診断困難であるものの、非常に重篤な症状を引き起こす可能性がある病気です。
知っていなければほぼ診断不可能な病気であるため、私も意識して日々の診療にあたろうと思います。

では、また!

うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範