院長ブログ

こんにちは！
西尾市一色町の整形外科クリニック　うえだ整形外科クリニック　院長　上田英範です。

本日ネットでニュースを見ていたところ、以下のような記事を見つけました。
はじめしゃちょー、“ガングリオン”再発で人生初手術「手首の中見た」

ガングリオンは整形外科クリニックで診療する機会が多い疾患ですので、解説していきたいと思います。

ガングリオンとは
関節の近くにできる腫瘤（できもの）です。
中に黄色いゼリー状の中身がたまって、皮膚がぼこっと膨らんで見えます。
骨が出っ張ってきたという主訴で受診されることもありますが、骨ではありません。
良性腫瘍ですので、悪いものではありません。

ガングリオンの原因
なぜ起こるのかははっきりとはわかっていません。
関節包（関節を包む袋）や腱鞘（腱をつつむ鞘）の部分が変性（形が変わって）して起こると言われます。

ガングリオンの好発部位
手首や指の根元の手のひら側が起こりやすい部位です。
はじめしゃちょーさんのガングリオンも手首に起こったもののようです。
その他の関節にも起こる可能性はあります。

ガングリオンの症状
内部にゼリー状の中身がたまって膨らみます。
整容面で悪いという問題点はありますが、多くの場合痛みはありません。
指の付け根にできた場合は、当たると痛いということがあります。
稀に手首の手のひら側にできた場合、神経を圧迫してしびれと痛みが起こる可能性があります。

ガングリオンの検査・診断
レントゲンでは映らないため、診断不可能です。
超音波検査（エコー）で好発部位に、特徴的な黒い腫瘤が見えた場合、ほぼガングリオンです。
まれにMRI検査が必要になることがあります。
間違いなくガングリオンと確定するためには、腫瘤を針で刺して、ゼリー状の黄色い中身が引けてくることを確認する必要があります。

ガングリオンの治療
痛みやしびれがなければ、治療する必要はありません。
しかし、痛みやしびれがあったり、見た目の悪さが気になるのであれば治療が必要です。
治療としては、まずは前述の通り針で刺して中身を吸引したり、引けて来ない場合は周囲から押しつぶして治療します。
これで一時的には引っ込みますが、再度たまることがほとんどです。
何度もたまる、痛みやしびれが強い場合は手術で摘出となります。
しかし、ガングリオンは「根が深い」ため、手術で切除しても再発率が高いです。
そのことも理解して手術に望まなければなりません。

以下のサイトも参照してみてください。
日本整形外科学会　ガングリオン
手外科シリーズ　ガングリオン

手首にぼこっとしたできものがあるという方は結構多いのではないでしょうか。
当院は超音波検査（エコー）を行っておりますので、すぐに診断が可能です。
気になる方は一度当院を受診してみてください。

では、また！

うえだ整形外科クリニック　医師　上田英範