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腰痛に関して②機能的腰痛

医療

こんにちは!
西尾市一色町に令和3年8月4日に新規開院予定のうえだ整形外科クリニック 院長 上田英範(ひでのり)です。

本日も腰痛に関するお話です。
今回のお話も、腰痛のプライマリ・ケア 金岡恒治 成田崇矢著 文光堂を参考にしています。

もし、昨日のブログ腰痛に関して①の項目を読んでいない方がいらっしゃいましたら、まずはそちらをお読みください。

本日は腰痛の中でも機能的腰痛に関してお話しします。
機能的腰痛の治療に関しては、いずれも運動療法を中心としたリハビリがおすすめです。

椎間板性腰痛に関して
椎間板という背骨の前の方の部分の軟骨のような組織が痛みの原因となります。
症状としては、前かがみをした時の痛み、前かがみができないなどが多いです。
また、痛みを発している椎間板の上下の骨を押すと痛みが出ることもあります。

運動療法としては、骨盤の位置調整のエクササイズ、ハムストリングストレッチ、背骨を伸ばすエクササイズ、多裂筋エクササイズなどを行います。

伸展型腰痛に関して
椎間関節や棘突起という背骨の後ろの方の部分が痛みの原因となります。
症状としては、背骨を後ろにそらしたときの痛みが多いです。
また、痛みが出ている部分をピンポイントで押すと痛みが出ることがあります。

運動療法としては、腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋などのストレッチ、腹筋などのエクササイズなどを行います。

仙腸関節性腰痛に関して
骨盤の中でも仙骨と腸骨という部分の結合部分である仙腸関節という部分の痛みです。
仙腸関節は靭帯でつながっていて、靭帯の動きがもともと大きい、妊娠出産、月経などの影響を受ける可能性があるなどの理由で女性に多い病気です。
症状としては、仙腸関節部のピンポイントの痛みが多いです。

運動療法としては、仙腸関節関節のエクササイズ、股関節のストレッチ、腹横筋・大殿筋エクササイズを行います。

筋性腰痛に関して
まだメカニズムははっきりしない部分が多いですが、筋肉やその表面にある筋膜による痛みです。
症状としては、前かがみ・後ろにそらすどちらでも痛みを訴えることがありますので、これはあまり特徴的な初見ではありません。
症状のある筋肉の硬さを触れ、痛みを訴えることがあります。

運動療法としては、姿勢の評価、背筋群・下腿後面のストレッチ、大殿筋・腹筋のエクササイズなどを行います。
また、筋性腰痛に関しては、以前のブログでお話ししたハイドロリリースが有効なことがあります。

本日は機能的腰痛に関して説明しました。
なかなか文章のみで説明すると難しいですね。
運動療法のやり方に関しては、外来の診察の中で指導するのは非常に難しいためリハビリを受けていただくことをおすすめします。

機能的腰痛は画像でわからない腰痛のため、原因がよくわからないと言われている方も多いのではないでしょうか。

①の椎間板性腰痛を放置すると、器質的腰痛の腰椎椎間板ヘルニアに移行したり、②の伸展型腰痛を放置すると、器質的腰痛の腰椎分離症や椎間関節の変形に移行したりします。

明日は器質的腰痛に関して説明していきたいと思います。

ては、また!

うえだ整形外科クリニック 医師 上田英範